移行と保守
移行テスト / 一斉移行 / 段階移行 / ソフトウェア保守 / 退行テスト / バスタブ曲線
移行と保守
移行テスト / 一斉移行 / 段階移行 / ソフトウェア保守 / 退行テスト / バスタブ曲線
一斉移行はコストは低いが,トラブル発生時の影響は大きい
段階移行はコストは掛かるが,トラブル発生時の影響は小さい
ソフトウェア保守は本番稼働中のソフトウェアに対して行う保守作業
退行テストは修正が他に影響していないかを検証するテスト
バスタブ曲線は時間経過と故障率の関係を表したグラフ
システムの移行方式の一つである一斉移行方式の特徴として,最も適切なものはどれか。(FE_H26春_問55改)
ア 新旧システム間を接続するアプリケーションが必要となる。
イ 新旧システムを並行させて運用し,ある時点で新システムに移行する。
ウ 新システムへの移行時のトラブルの影響が大きい。
エ 並行して稼働させるための運用コストが発生する。
正解 ウ
一斉移行方式は旧システムから新システムに一斉に切替える方式です。手間やコストは小さいものの,トラブルが発生すると対応が困難(影響が大きい)という特徴があります。
ちなみに,アは段階移行方式のうち,機能単位で移行する場合の説明です。機能単位で移行すると移行した機能(新システム部分)を旧システムに接続する必要があり,接続のためのアプリケーションが必要になります。
イとエは並行運用方式に関する説明です。並行運用方式は文字通り,新旧システムを並行して運用する方式です。新システムにトラブルが発生しても旧システムが稼働したままですので,トラブルの影響は小さ目(段階移行よりも更に影響は小さい)です。ただし,手間やコストはかなり大きく(段階移行よりも更に大きく)なります。
現行システムを新システムに切り替えるに当たり,現行システムから新システムに移行すべきデータ,移行に必要な資源などを整理して,移行計画書を作成した。移行計画書に含める事項として,最も適切なものはどれか。(IP_H22秋_問47)
ア 新システムで提供される画面や帳票の操作手順
イ 新システムに切り替えるためのスケジュール及び体制
ウ 新システムに求められる機能要件
エ データの定期的なバックアップ手順
正解 イ
システムの移行を行う場合,移行方式や移行に関するスケジュール及び体制といった移行計画を策定します。
今回の問題とは関係ありませんが,この移行計画通りに移行作業が進められるかを確認するテストを移行テストといいますので,こちらも覚えておいてください。
他の選択肢は移行とは関係ありませんので,スルーしてOKです。
稼働中のソフトウェアに対して,発見された障害の是正や,新しい要件に対応するための機能拡張を行う活動として,最も適切なものはどれか。(IP_H23春_問44改)
ア システムテスト
イ システム要件定義
ウ ソフトウェア結合
エ ソフトウェア保守
正解 エ
特に悩む問題ではないですね。本番稼働中のソフトウェアに対して,見つかった不具合の修正,新しい要件に対応するための変更や改良といた作業はソフトウェア保守です。
他の選択肢についてはすでに学習済みですが,これって何だっけ?というのがある場合は復習しておいてくださいね。
ソフトウェア保守に関する説明のうち,適切なものはどれか。(IP_H24秋_問50)
ア 開発中の仕様変更によるプログラムの改修は,ソフトウェア保守である。
イ 外部環境の変化に対応するためにプログラムを改修することは,ソフトウェア保守ではない。
ウ 緊急の本番障害対応で改修したプログラムの内容に合わせて設計ドキュメントを修正することは,ソフトウェア保守である。
エ 本番稼働中に発見されたプログラムの不良の改修は,ソフトウェア保守ではない。
正解 ウ
この問題は少しひねった問題です。選択肢の一つひとつを消去法で確認していきましょう。
まずアですが,ソフトウェア保守は本番稼働中のソフトウェアに対する改修作業ですから,開発中の改修作業はソフトウェア保守とはいいません。よって,この選択肢は適切ではありません。
次にイですが,プログラムの不具合の修正のみを指してソフトウェア保守という訳ではなく,環境の変化に合わせるための適応作業や,ユーザからの要求に対応する改良作業などもソフトウェア保守に含まれます。よって,この選択肢も適切ではありません。
続いてウですが,本番稼働中のソフトウェアの修正,また関連するドキュメント(書類)の修正も含めてソフトウェア保守といいます。よって,この選択肢が適切です。
最後のエは,本番稼働中のソフトウェアの不具合の修正は典型的なソフトウェア保守です。よって,この選択肢も適切ではありません。
ソフトウェアのテストの種類のうち,ソフトウェア保守のために行った変更によって,影響を受けないはずの箇所に影響を及ぼしていないかどうかを確認する目的で行うものはどれか。(FE_H23秋_問48改)
ア 運用テスト
イ 結合テスト
ウ システムテスト
エ 退行テスト
正解 エ
ソフトウェア保守で行った変更が,他の部分に影響を及ぼしていないかどうかを確認するテストを退行テストといいます。
アの運用テストは利用者が主体となって実際の運用環境で業務が問題なく行えるかどうかを確認するテストです。
イの結合テストはモジュール同士を結合して問題なく動作するかどうかを確認するテストです。
ウのシステムテストはシステムの要件を満たしているかどうかを確認するテストです。
なお,退行テストはリグレッションテスト,レグレッションテスト,回帰テストともいいますので,どの用語で出題されても対応できるようにしておきましょう。
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